大阪夏の陣2016 40通りのドラマの中の一つ 第3部
前回までのあらすじ
時は戦国
大阪夏の陣に参戦しているトムは、2人の女の子とバッティングぎりぎりのところで2即目をゲットすることができた
が、しかし即ったのも束の間、ブーメラン子が待っている梟箱に向けて全力疾走するトムの姿がそこにはあった
第3部
………
時刻は23時20分 現在2即 残り時間 約13時間
土地勘の無いトムは梟箱への道のりを何度か間違えながら、なんとか目的地まで到着した
「待たせちゃったな、ごめん」
息を切らしながら謝まる
「全然大丈夫、服装が昼と変わってるね」
「そうそう、一回チェックインして着替えてきた」
「そうなんだ、てかよく私って分かったね笑 気づかれないと思った」
「そりゃわかるよ、服装変わってないからさ笑 それに昼に知り合ったからクラブマジックもないしな(^^)」
こんな会話をしながら梟箱につながる階段を降りて行く
エントランス前に少しだけしか入場待ちの列が出来ていなかったので、土曜の夜なのにあまり人が入っていないのかと思いきや
エントランスで1,000円を支払い入場すると、それは間違いだとわかった
パンパン*\(^o^)/*
ロッカーに荷物を預ける気はなかったので、クラッチバッグを肌身離さず抱えながら、まずは乾杯することに
ブーメラン子はソフトドリンク、トムはビールで乾杯
「とりあえず踊ろっか」
乾いた喉にビールを勢いよく飲み干して、はぐれないように手を繋ぎながら、トムが人混みをかき分けてダンスフロアーの前方を目指す
不思議と最前列の一歩下がったところにはぽっかりと快適なスペースがあったから
そのスペースで少し踊ることにする
ここで彼女のニーズの、クラブに行って楽しむことを満たそう
そう思い、ここは何も考えず音を楽しんでテンションをあげて彼女と楽しんだ
しばらくすると曲調が変わり、音に乗りづらくなった
このタイミングを逃さないように、トムはわざと携帯を取り出して友人とやり取りしているふりをする
ブーメラン子の耳元で打診
「友達からM街のクラブに行こうってめっちゃLINE来ててさ、ここ混みすぎだし一緒に行こう」
「行くのはいいけど、早過ぎない?笑」
梟箱に入って30分後の出来事だ
ごもっともだけど今日は時間がないんだよ
彼女の手を取り踊るダンスフロアーを抜け出した
タクシーに乗ってM街に向かってる途中に
「あ、充電があと10パーしかないからとりあえず部屋寄るわ。クラブのすぐ近くだから」
理由づけしてくるくるパレスにイン
そこからはいつもの流れでギラついた
軽くグダられる
「クラブで知らない人と密着したり踊ったりして汗かいたから俺からシャワー浴びるな」
多分このパターンは1即目と同じグダだろうし、トムが率先してシャワーを浴びることで自然な流れになるだろうと思い、先にシャワーを浴びることにした
「シャワー浴びたらいなくなってるかもよ?笑」
最後のクソテストだ
「最終的に決めるのは君だから、でも俺は信じてる笑」
財布も携帯も残してトムはシャワーを浴びた
バスタオルを巻いて、浴室と寝室を繋ぐドアノブに手をかける
軽く深呼吸してドアを開けた
ガチャ…
そこには携帯の画面を見ながら椅子に座ってる彼女がいた
それからは彼女もシャワーを浴びてノーグダでゲット
ベッドの上で談笑しながらも時間を気にするトム
ほんとごめんな、君からしたらクソみたいなことだけど、今日はやらなきゃいけないことがあるんだ
「友達が居酒屋にいるらしいからそこ行かなくちゃ」
俺のエゴでクラブも一緒に行けなくなったことを謝り
タクシーを捕まえてタク代握らせて放流した
即日ブーメランからの3即目
ストリートではなんとか結果を出すことが出来た
これからはクラブの熱い時間帯だ
コンビを組もう
タクシーを見送り、踵を返すと50M先には仲間が待っていてくれた
時刻は午前1時30分
第3部完 続く